酒造りの原点を追い求めて、挑戦と進化が続く福鶴酒造|八尾町

米、米麹、水を主な原料として造る日本酒。海外ではSAKEと呼ばれ、輸出量は年々増加しています。

敷居が高いと思われがちな日本酒ですが、自分にぴったりの日本酒を見つけると、食事がぐっと楽しくなりますね。

提供元:福鶴酒造㈱

今回ご紹介するのは、富山市八尾町(やつおまち)にある福鶴酒造。八尾町は、毎年9月1~3日に催される「おわら風の盆」が、全国的に有名ですね。

おわら風の盆は、哀愁漂う越中おわら節の旋律にのせて、踊り手が町を踊り歩く秋のお祭り。3日間で、約20万人の観光客が訪れる富山県を代表するお祭りです。

提供元:福鶴酒造㈱

福鶴酒造は、1848年(嘉永元年)創業。重厚な造りの家屋と独特の空気感から、江戸時代のたたずまいが感じられます。

自然の恵みが織りなす、豊かな味わいが楽しめる日本酒。令和3酒造年度は、金沢国税局酒類鑑評会優等賞を受賞しています。
※日本酒業界の年度期間:7月1日~6月30日

杜氏を務めるのは、8代目蔵元福島淳(ふくしまあつし)氏。伝統ある酒蔵で受け継がれた、確かな技術と経験は、妥協を許さない上質なお酒を生み出します。

福鶴酒造の日本酒は、大別すると「風の盆(かぜのぼん)」「八王(やつおう)」「ふくく」の3シリーズ。各シリーズの代表的なお酒をご紹介します。

毎日飲みたい、有機米100%使用のオーガニック清酒

風の盆シリーズからは、有機純米酒風の盆(300ml/680円~)。

有機純米酒風の盆は、石川県産有機JAS認定米コシヒカリを100%使用。原材料にこだわったオーガニックの清酒です。

口に含むと、米や米麹の香りが広がり、芳醇でまろやかな味わい。軽さとふくよかさが調和された、上品でやさしい口当たりが魅力です。

甘辛度は、甘口と辛口の間の中口。飲み方は、ぬる燗、ひや(常温)、冷酒がおすすめ。

和食と合わせると、料理の味が引き立ち、お酒のおいしさに感動。食の安全に、こだわりのある方への贈り物としても、おすすめできる良質な日本酒です。

※300ml/680円は要予約。720ml/1,700円、1800ml/3,100円あり

近年、人気を集める低精米の純米原酒

八王シリーズからは、純米原酒八王(720ml/1,385円~)。

富山県産米てんたかくを、78%精米歩合で造った純米原酒八王。原酒は、加水調整しないため、アルコール度数は18度とやや高め。甘辛度はやや辛口です。

お米を少ししか削らない低精米による日本酒は、米のうま味に複雑な味が合わさる個性的な味わいで人気を集め、近年、評判を呼んでいます。

富山県で初めて低精米による純米酒を醸造し、発売した福鶴酒造。開栓すると、甘くて、ほどよい酸の香りがふんわり漂います。

口に含むと、凝縮された米のうま味が広がり、米のおいしさがダイレクトに伝わりますね。酒米の力が大きく引き出された逸品です。

濃厚な原酒は、氷をたっぷり入れたグラスに注いで、ロックで飲みたいですね。原酒の風味が、存分に味わえるシンプルな飲み方がおすすめ。

一方で、香りは抑え気味なので、常温から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめるのも魅力です。

コスパが高い点もうれしいですね。日本酒好きなら、一度は試したい1本です。パワフルで、余韻があとを引くおいしさを、ぜひ堪能してみてください。

火入れ(加熱処理)をしない純米原酒八王の生酒(なまざけ)や、微発砲の生酒も販売しています。

見つけたら買おう! 濃厚でこくと厚みがある生酛純米大吟醸

ふくくシリーズから、ふくく生酛(きもと)純米大吟醸(720ml/2,100円~)。

ふくく生酛純米大吟醸は、昭和初期まで主流だった昔ながらの製法、生酛造りで造られたレアな日本酒。富山市八尾町産の酒米五百万石を使用しています。

提供元:福鶴酒造㈱

酒造りの工程で必要な乳酸菌。最初から乳酸を人工的に添加する方法が一般的ですが、生酛造りは、酒蔵で生きている自然の乳酸菌を取り込み、乳酸を生成させる伝統的な手法です。

手間と時間をかけて造られたお酒は、丸みがありながらも野性的なおいしさ。独特な風味は、飲みごたえがありますね。

濃厚な酸味に、コクと厚みがある味わいは、チーズやホワイトソース系のクリーミーな料理、スパイシーな料理などとも合いますね。甘辛度は辛口です。

製造工程で、木製の半切桶を一部使っているため、ほのかな木の香りが楽しめます。

ふくくシリーズからは、ふくく山廃(やまはい)純米(720ml/1,600円~)もご紹介します。

生酛造りの製造工程とは、酒母づくりの工程が少し違うだけのふくく山廃純米。自然界の乳酸菌を取り込むのは同じですが、生酛造りから派生した造り方になるそう。

山廃仕込みは、濃醇で酸味がしっかり引き出された深い味わい。甘辛度はやや辛口です。和食はもちろん、チーズやマリネとも相性がいいですね。

1日の終わりは、おいしいお酒をゆっくり飲んで、至極の幸せを味わいたいですね。挑戦と進化が続く福鶴酒造の日本酒で、ランクアップしたひとときを過ごしてみませんか。

※記事内は、2023年6月1日改定後の価格(税別)です。

福鶴酒造株式会社
住所:富山県富山市八尾町西町2352
アクセス:JR高山本線越中八尾駅下車徒歩約30分、富山地方鉄道バス八尾行き東町下車徒歩約2分
営業時間:9:00-17:00
TEL:076-455-2727
定休日:不定休
HP:https://www.kazenobon.co.jp/

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。